プロジェクトの背景

米国の医薬品メーカーは、臨床試験に入っているパイプライン製品が日本において大きな市場機会があると考えていました。しかし日本での業務基盤がなく、結果として日本市場へのアクセスおよび当該市場での成功のためにパートナー企業を必要としていました。L.E.K.コンサルティングは、顧客企業経営陣の依頼により、その製品の日本市場における市場潜在性を定義し、そしてパートナー候補企業の選定および交渉を支援するためのサービスを提供しました。

アプローチ

L.E.K.コンサルティングは日本における臨床、保険償還および市場環境に係る調査から得られた経験を活かし、そのパイプライン製品の市場潜在性および顧客の製品戦略に与える影響に 関して詳細な検討・評価を行いました。同時に、米国を拠点とする顧客企業のニーズを把握し、効果的にプロジェクトを進めるために、弊社の米国オフィスに所属するシニアパートナーが顧客企業と緊密に連絡を取りながらプロジェクトを進めました。

プロジェクトの主な取組みとして以下のものが含まれました:

  • 臨床試験中のパイプライン製品に係る適応症の疫学的側面、治療的側面、アンメットメディカルニーズのプロファイリングおよび評価
  • 既存の治療パラダイムに対する当該製品の位置付けおよび期待度・受容度の評価
  • 薬価収載シナリオの特定および価格最適化に関する要件の定義・評価
  • シェア拡大を実現するための戦略的なシナリオを含めた売上高の予測

L.E.K.の戦略的な市場分析・評価および売上予測により、経営陣に対し国内市場のダイナミクスおよびパートナー企業として必要とされる要件を提示しました。潜在的なパートナー企業の特定、評価を行った後に、L.E.K.は提携交渉のアドバイザリー業務まで担いました。顧客企業からはL.E.K.の交渉への参画および目標達成に対するコミットメントを高く評価して頂きました。

結果

本プロジェクトを通して顧客企業は適応症領域に強固な業務基盤を有する日本の製薬企業とパートナーシップを確立することができました。また、弊社は顧客企業、パートナー企業共に成功を享受できるようなライセンシング契約を締結する上で重要な役割を果たしました。パートナー企業は日本における臨床試験を2012年に開始する計画を発表致しました。

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