R&D投資に注力するバイオテクノロジー企業の増加に支えられたパイプラインの拡大により、M&A活動が活発化し続けています。L.E.K.コンサルティングでは、放射線治療薬の開発パイプラインポートフォリオを持つ70社以上を追跡しています。そのうち約3分の2は非上場企業で、拠点は北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域にほぼ等しく分散しています。
中小型株上場企業の手元資金の中央値は約2,000万ドル、企業価値の中央値は約1億2,500万ドルで、ある程度の資金猶予期間があります。2020年と2021年には上場企業への資金が急増しましたが、これは数社のIPO(クラリティ・ファーマシューティカルズなど)によるもので、その後は、2023年のレイゼバイオのIPOを除き、より緩やかなペースとなっています。同様に、過去2~3年における非上場企業のシリーズAまたはシリーズBへの投資額の中央値は4,000万~5,000万ドルに達しました。放射性医薬品のスタートアップは、2023年に約10億ドルのプライベート資金調達を行いました。これらのアーリーステージのスタートアップの多くは、PSMAやSSTR以外の新しいリガンドの研究を手掛けています。
既存の製薬会社が適切なM&Aターゲットを見極めるためには、ポートフォリオの臨床と商業的な将来性に加え、サプライチェーンと製造能力を考慮に入れる必要があります。サプライチェーンの安定性確保のための取り組みは、パートナーシップ活動から明らかであり、2024年1月から4月の間に、同位体サプライヤーとバイオ医薬品企業との間で4件の供給提携が発表されました。。
バイオ医薬品企業は、自社製造するか外部委託するか判断する必要があります。製造とサプライチェーンの改善は重要なテーマであり、引き続き重点的な投資分野となる見込みです。同位体の半減期と、異なる製造方法(ジェネレータや粒子加速器など)についても引き続き慎重な検討が必要です。特に製造方法に関しては、設備投資、立ち上げやすさ、フットプリント、運営に必要な専門性の間でのトレードオフを考慮に入れます。
結論
イノベーションと戦略的買収が続いていることは、この分野の成長力と有望な軌道を際立たせ、放射線治療薬の使用がより主流となる重要な転換点であることを示しています。
L.E.K.では、放射線治療薬における機会と課題を探索するため支援を行っています。詳細については、当社までご連絡ください。急速に進化しているこの分野で成功を収めるための戦略的アドバイスを提供します。
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巻末注
1「アルファ放射性リガンド療法の商業とビジネスの側面」 Emanuele Ostuni、Martin R G Taylor (2023年) Frontiers in Medicine、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9932801/#B43
2ノバルティス(2024年)、「中間財務報告書(要約) - 補足データ」 https://www.novartis.com/sites/novartiscom/files/2024-07-interim-financial-report-en.pdf
3フィアース・ファーマ(2023年)、「ノバルティスがプルビクトの新規患者受け入れを停止、製造拡大を急ぐ一方で放射線治療の供給不足に陥る」https://www.fiercepharma.com/manufacturing/novartis-halts-pluvicto-new-patient-starts-struggles-radiotherapy-supply-amid
4サノフィ(2024年)、「プレスリリース:「サノフィ、ラジオメディクス、オラノメッドが希少がん治療における次世代の放射性リガンド治療薬のライセンス契約を発表」https://www.sanofi.com/en/media-room/press-releases/2024/2024-09-12-05-00-00-2944919;サノフィ(2024年)、「プレスリリース:サノフィとオラノメッドが次世代の放射性リガンド治療薬の開発で提携」https://www.sanofi.com/en/media-room/press-releases/2024/2024-10-17-05-30-00-2964590