概要

消費財は、広域な製品カテゴリを含み、形態や大きさは多岐におよびます。そして、複数のブランドや部門、対象消費者グループや対象地域、流通チャネルなどが関わる複雑なビジネスのため、戦略的な意思決定が難しいことが多々あります。最近の市場動向には、次のようなものが挙げられます。

  • 市場は既存のチャネルの崩壊に直面しており、eコマースの浸透や事業拡大を続けているAmazon、革新的で破壊的なビジネスモデルや人口構成のシフト、支出の優先順位における変化、情報力および購買力のある消費者、テクノロジーの急速な進歩などといった時代の変化が市場に大きな影響を与えています。
  • チャネルの変化により、多くの消費財ブランドは、生産性の向上とディストリビューション拠点の集約化を強いられ、また従来社内で有していなかった最終顧客への直販ケイパビリティと知見が求められるようになってきました。
  • ブランドの役割とその影響力も進化しています。現代の消費者は、きめ細やかなニーズに対応できる「スペシャルティ」ブランドを求めるようになってきており、影響力のあるパワー・ブランドは、既存の消費者層を越えた事業拡大に苦戦しています。特に、経済格差が二極化する砂時計経済時など、消費活動が減少する際は、パワー・ブランドは衰退し、より多くの選択肢を消費者に与えることが可能なプライベート・ブランドやその他の代替ブランドが普及します。これにより、消費財企業の多くは、有するブランドの価値や戦略的位置づけを見直し、他社ブランドに対する優位性を再確認する必要性が出てきています。

L.E.K.は高度な業界知識とファクトベースのインサイト、洗練された分析手法を組み合わせることにより、複雑な経営課題に対する最適なソリューションを特定し、経営陣が自信を持って戦略的アクションを取れるよう支援します。消費財企業はL.E.K.と協働することで、成長を促し、競争力を創出し、利益と価値創造の機会を生み出しながら、リスクを軽減させるための戦略を策定することが可能です。L.E.K.のアプローチは多角的かつファクトベースの分析である他、プロセス全体を通して経営陣を巻き込むことで全体の意見を一致させた戦略立案が可能なことが特徴です。
 

L.E.K.の戦略的ソリューション

L.E.K.は、小規模の新興消費財企業から大規模なグローバル消費財企業まで、幅広くサポートしています。

  • 成長の加速:L.E.K.は成長戦略の立案に強みを持っており、消費財企業が正しい成長機会をとらえ、着実に成果を出せるよう戦略の実行支援を行います。その中で、我々は様々な手法を取り入れており、例えばEdge Strategy®と戦略的マーケットポジションの原則を基にした成長機会の評価や、心理学的また行動学的な顧客分析を基にした戦略的オプションの抽出、ブランドのポジショニング、市場予測やシナリオ分析などがあります。
  • ブランドのポジショニングと戦略の定義づけ:L.E.K.は、戦略は、ターゲットとなる顧客セグメントの価値観や購買行動、意思決定などの消費者ニーズや特徴を基に立案すべきと考えます。適切な顧客に対し、適切にブランドをポジショニングすることにより、戦略が決まっていきます。我々は、詳細な分析や知見を基に、的確な戦略的フレームワークやガイダンスを提供し、ブランドが最大の価値を創造できるようサポートします。
  • チャネル戦略の定義づけ:L.E.K.は、各チャネルについて、その役割とルール、関連する戦略を明確に定義することにより、複雑なチャネル戦略立案をサポートします。参入領域の選定、各ディストリビューションにおける営業効率・利益率の向上、デジタルチャネルの進化に対応したディストリビューションの再編成、流通および市場見直しや、直販戦略の導入や再調整、デジタルおよびeコマース戦略の定義づけなど、多方面からクライアント企業を支援します。
  • ディールの実行支援:L.E.K.は、ディールの評価から、デュー・ディリジェンス、企業統合、そして成長戦略立案に至るまで、ディールライフサイクルのすべての段階において、クライアントを支援します。これまで、消費財クライアント企業に対して、M&AやJVその他の提携、また事業売却を含め、延べ数十億ドル規模のディール・トランザクションを支援してきました。
     

成功事例

L.E.K.は、利益率の向上とリターンの最大化を達成するために、企業を支援しています。

  • 事業変革時の成長戦略:グルテンフリーの食品メーカーであるクライアント企業は、市場機会の特定と、企業の成長と価値創造を最大化するための戦略的インサイトを必要としていました。L.E.K.は、ファクトベースの分析と業界の知見を活用し、参入可能な市場機会の特定と、既存の枠組みにとらわれない成長機会を追及する戦略を立案しました。L.E.K.が特定した成長機会は、新しいカテゴリおよびチャネルに存在し、現実的かつ合理的とは完全に言いきれないものの、非常に大きな機会でした。その時のアプローチは、特有の複雑さとリスクを考慮すると非常に詳細に立案されており、最終的には企業価値を500%も向上させるとともに、米国において最も急成長した食品ブランドの1つとなりました。
  • 製品イノベーション:マットレス専門の製造業であるクライアントは、消費者の需要を喚起する「プル」ブランドを開発し、マーケットシェアを再度獲得する必要がありました。L.E.K.は、消費者の期待とニーズを把握するために、消費者アンケートやインタビュー、フォーカスグループ、コンジョイント分析などを活用した大規模な消費者動向調査を行いました。また、クライアント企業と新製品のコンセプト設計、代理店とブランドの確立やブランディング戦略やキャンペーンの立案を行いました。更に、ディーラーの経済的ベネフィットを算出し、新製品の優先順位付けやチャネルの交渉に活用しました。この新しく発売された製品は、業界の中で勝ち組と捉えられています。
  • 消費者主導の成長戦略:グローバルに展開するフットウェア業界のクライアントはL.E.K.に、上位ブランドの成長戦略立案の支援を依頼しました。クライアント企業は、このブランドが製品サイクルのピークに達していると想定し「売却」すべきか、またはブランドには成長機会が残されていると考え、積極的に投資を続けるかどうか悩んでいました。L.E.K.は、詳細な消費者調査を行い、消費者セグメントを特定し、そのうち重要なセグメントの中でのクライアントブランドのポジショニング評価を行うことで、修正可能なミスマッチはどこで、その中にどれくらいの成長機会が残されているのかを特定しました。また、クライアント企業が追及すべき成長レバーの優先付けも合わせて行いました。これらの調査および提案により、顧客に対する理解を深めるだけではなく、今後の投資計画を含めた成長戦略立案の足掛かりとなりました。
  • 価格・プロモーション戦略:大手ビタミン・ミネラル・サプリメントのクライアント企業は、価格・プロモーション戦略の見直しをする必要がありました。同社の既存の価格戦略は一貫性を欠いており、全社的戦略と市場参入のための価格戦略の間に明確なつながりがありませんでした。さらに、市場では、競合他社のプロモーション活動が非常に活発な一方で、同社は消費者に対する明確なメッセージがありませんでした。L.E.K.はクライアントの複数部署にまたがるチームと緊密に連携し、一連の価格の課題に対処するため、詳細なデータ分析と競合およびチャネル分析を行いました。これにより、十分に練られた価格設定のフレームワークおよびルール構築に成功し、のちに約2,000万ドルの収益をもたらしました。

更なる内容につきましては、英語版グローバルウェブサイトをご参照下さい。

消費財業界のサービスに関するお問合せ