プロジェクトの背景

グローバル大手製薬会社(クライアント企業)は、かつてのブロックバスターであったブランド医薬品のライセンシングディールを検討するにあたり、同医薬品のスイッチOTC*のポテンシャルを評価したいと考えていました。そこでクライアント企業は、日本のOTC市場の詳細動向の分析、同医薬品をスイッチOTC化した際の摂取量と期待価格の分析、更にシナリオプランニングによる今後10年間の売上予測の作成を通じ、同スイッチOTC薬の開発販売権の価値評価を支援することをL.E.K.に要請しました。

アプローチ

L.E.KはOTC医薬品市場および薬事制度動向の詳細な分析を通じ、クライアント企業が日本市場において同医薬品のスイッチOTC化を実行する戦略的合理性を第三者的視点にたって評価しました。具体的には、下記のようなアプローチによりクライアント企業をサポートしました:

  • 日本において当該ブランド医薬品をOTCとした際の市場機会の評価(対象患者数、顧客セグメンテーション、競合環境、提供価値、期待できる価格、見込み摂取率などを含む)
  • スイッチOTCに伴うリスクの特定(規制リスク、ブランド価値の毀損リスク、クライアントの保有する他製品とのカニバリゼーションリスクなど)
  • 各種リスクおよびアップサイドを鑑みた将来シナリオの策定、および各シナリオにおける今後10年間の売上推移の予測
  • 典型的なOTC医薬品のユニットマージンなど、ファイナンシャルモデリングに用いるコストインプットの提供
  • 日本におけるOTC医薬品の典型的なライセンシング契約条件の特定

結果

本プロジェクトを通じ、クライアントは日本のOTC医薬品市場動向を詳細に理解し、今後10年間の売上予測を左右する重要なドライバーとその動向を把握し、OTCライセンスの適正なバリュエーションを実施することができました。また、L.E.K.の分析により、スイッチOTCを推進するにあたり想定されるリスクをどのようにコントロールすべきかについても示唆を得ることができました。L.E.Kによる今後10年間の売上予測は、クライアント企業とパートナー候補企業とのスムーズな交渉に大きく寄与しました。

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