
L.E.K. Consultingは毎年、アジア太平洋(APAC)地域の病院経営層数百名を対象に調査を実施し、病院の優先課題や購買行動の変化を明らかにしました。本調査は、ヘルスケア企業がステークホルダーとの関係構築を強化し、製品・サービス戦略をより的確に設計するための実用的なインサイトを提供することを目的としています。
以下は、日本の病院に焦点を当てた本年の調査結果の主要ポイントです。
財務見通し – 病院は厳しい予算状況に対応しながらも、将来の収益性に一定の期待を寄せている
日本の病院の60%以上が現在も赤字経営にあり、特に急性期病院では、COVID-19のパンデミックによってその状況がさらに悪化しました。
小規模病院(20~299床)は臨床スタッフの人件費負担が重く、一方で大規模病院(300床以上)は設備投資や医療物品への支出拡大を見込む傾向があります。
財務面の課題が続く中でも、前向きな期待感も見られます。大規模病院の約70%は、今後3年以内にEBITDAマージンが10%を超えると予想しています。
戦略的優先事項 – 病院は、業務効率化、診療の標準化、そして人材の持続的な確保・定着を重視している
全体として、コスト管理、診療の標準化、スタッフの定着が優先事項に挙げられています。
大規模病院はデジタルヘルスへの投資を加速させ、小規模病院は医療消耗品コストの削減を重視しています。
2024年の医師の時間外労働規制により、特に大規模病院では働き方改革が進んでいますが、課題も残ります。大規模病院では実行ノウハウや具体的ソリューションの不足、小規模病院では資金不足が主な障壁となっています。
医療の質と業務効率の向上を目的としたデジタルソリューションへの関心は高いものの、1) IT・デジタル人材の不足と、2) インフラ・技術力の限界という2つの大きな課題が導入の妨げとなっています。
機器の購入とメンテナンス – 病院はコスト管理の一環として、調達の標準化を推進している
購買判断において最も重視されているのはコストであり、次いで製品の革新性が続きます。
高額な医療機器ほど、病院経営層(CEO、ディレクター、CFOなど)が意思決定に関与する割合が高くなります。
コスト最適化を図るため、特に消耗品を中心に、取扱品目やサプライヤーを絞る調達の標準化が進んでいます。
高額な機器ほど保守業務を外部に委託する傾向があり、国内のメドテック企業はサービス・サポートの信頼性が高いと評価されています。
2025年に向けた日本の病院の優先課題に関する詳細レポートは以下のリンクからダウンロードください。
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