L.E.K. コンサルティングによる消費者行動に関する最新調査では、持続可能性の重要性がますます高まっていることが明らかになりました。同時に、調査結果から、持続可能性に関する消費者の意識は明確になっている一方、消費者が行動を起こしたり、支出を増やしたりする意欲の度合いは様々であることがわかりました。弊社の調査結果は、企業やブランドが持続可能性の追求を通じて価値創造を推進する真の機会があることを示していますが、そのためには、ターゲットとなる顧客のセグメントや、製品カテゴリー、地域固有の嗜好性を正確に理解する必要があります。
調査について
「持続可能性に関するグローバル消費者調査2024」は、L.E.K.コンサルティングが2022年に実施した調査を基に、持続可能性のトレンドが変化する中で、消費者行動がどのように変化してきたかを詳細に調査したものです。本調査は、現在10の地域まで拡大されており、本レポートでは、持続可能性に対する消費者の考え方や行動の地理的な差異を明らかにするとともに、消費者が製品カテゴリー全体にわたって持続可能性に追加の支出をする意欲を有していることを明らかにしています。
重要なポイント
- 消費者の意識は明確であり、2019年以降、世界的に持続可能性への関心が高まっています。日本の消費者も他の地域と同様に、持続可能性が重要であると考えています。日本の消費者の間で特に強く共感を呼んでいる3つのテーマは、持続可能な産業と製造、手頃かつクリーンなエネルギー、そして気候変動対策です。
- 消費者は、持続可能性への懸念を行動に移し始めています。特に、リサイクルなどの簡単で便利な活動や、家庭におけるエネルギー消費の削減などの経済的な活動を行う消費者が多い傾向にあります。
- 持続可能性は、製品カテゴリー全体の購入に関する消費者の意思決定に影響を及ぼしていますが、購入基準としては品質と価格に次ぐ優先度となっています。若い年齢の消費者の間では、持続可能性は、比較的に重要な基準の1つなっています。
- 様々な年代の消費者が、持続可能性への懸念から、ブランドや製品を切り替えていますが、すべての製品カテゴリーで一貫して同様の行動を取っているわけではなく、特定のカテゴリーにおいてのみブランドや製品の切り替えを実施しています。
- 持続可能性に対して追加の支出をする意欲は全般的に高まっています。しかし、最近のマクロ環境の変化に伴う可処分所得の低下により、一部の世帯家庭では、経済状況がが悪化し、持続可能な代替品に対する支払い意欲が低下しています。
- 消費者全体での持続可能性への考慮は一様ではなく、地域や顧客セグメントによって嗜好性に顕著な違いがあります。特に日本では、「倫理的に生産されたもの」「購入後のオプション」「有害な成分や素材を避けること」が消費者にとって最も重視されるサステナビリティ属性の一部です。ブランドがターゲット顧客の持続可能性に対する考え方を理解し、それに応じて持続可能性に関するポジショニングや提案を調整することが重要です。
- 消費者は主に、パッケージやラベルを通じて製品やブランドの持続可能性について学び知ります。そのため、企業が製品ラベルや、関連するパッケージやデザインの選択を通じて、自社の持続可能性について伝えることが特に重要になります。
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