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製薬企業の成長戦略

イノベーション成長・競争優位に関するL.E.K. インサイト
May 21, 2026

本冊子では、ライフサイエンスおよび製薬業界業界を取り巻く環境変化を踏まえ、L.E.K. コンサルティングの主要な知見をまとめています。研究開発から商業化に至るまで、企業が直面する事業環境は一段と厳しさを増しています。科学の高度化、資本規律の強まり、競争の激化に加え、患者、規制当局、投資家から求められる水準も一層高まっています。本冊子では、こうした変化を多面的に捉え、急速に変化する事業環境の中で、より良い戦略判断を行うための実践的な示唆を提示します。 

本冊子で取り上げるテーマは、いま業界の意思決定者にとって特に重要な論点です。研究開発の生産性をいかに高めるか、ポートフォリオ選択の精度をいかに高めるか、、そして既存資産と将来資産の双方から次の成長機会をいかにとらえるかを考察しています。さらに、より焦点を絞ったGo-to-marketモデルを通じて、戦略をどのように事業成果へ結びつけるかについても取り上げています。あわせて、新たな技術がイノベーションの創出、上市、拡大のあり方をどう変えていくかについても論じています。これらに共通するのは、今後の競争優位は、高い科学的思考性に加え、規律ある意思決定と着実な実行力を備えた組織によって生み出されるという点です。 

L.E.K.は、クライアントが変化を明確に読み解き、それを明確なアクションへとつなげられるよう支援しています。本冊子が、市場の変化や新たな機会、重要な経営課題を見極め、構造変化の時代を着実に進んでいくための一助となれば幸いです。  

本分析の詳細については、フルレポートをダウンロードしてください

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Editor’s Note: We also have a China-focused booklet available. Please click to access the English version of the report and a copy of the Chinese version

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日本の製薬業界における好機とは ~加速するイノベーションへのアクセス~

May 21, 2026

 

日本では近年の政策改革により革新的医薬品へのアクセス改善が急速に進んでおり、製薬企業にとって、この変化する市場への参入と成長に向けた新たな機会が生まれている。依然としてアクセス課題は存在するものの、迅速に行動できる企業にとっては戦略的な成長機会となり得る。

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精密医療が切り拓く治癒の未来


アジア太平洋地域では、医療の、「精密医療の時代」が到来しようとしています。これらの治療法は、医療を再構築し、投資を誘致し、人々の生活の質を向上させるでしょう。診断技術、AI、ゲノムミクス技術によって支えられた精密医療は、これまで治療不可能とされた疾患に対しても治癒の可能性を示し、がん領域や希少遺伝性疾患をはじめとする様々な疾患において新たな標準治療法や治療選択肢を大幅に進化させ、新たな希望をもたらしています。

本白書シリーズでは、アジア太平洋地域は、精密医療の時代を迎える準備ができているか?を議論しています。精密医療の時代とは、画一的な処方や定期的な投与を行う治療から、個々の患者とその疾患に合わせ治癒が期待できる治療法である「精密治療」へと徐々に移行している、現在の変革期を指します。

本白書では、4市場(日本、中国、韓国、オーストラリア)において4つの新技術を用いて実施された1,000件以上の臨床試験に関する調査を基に、精密医療がもたらす臨床的・経済的・社会的な価値を評価し、精密医療導入上の障壁を明らかにし、それらの改善に向けた提言も提示しています。さらに、日本、中国、韓国における精密医療の時代がもたらしうるベネフィットについても検討しました。

精密医療の時代の医療技術は、日本が抱える医療課題に対する、革新的な解決策となりえます。この新たなアプローチを採用することで、大幅な経済成長や雇用創出だけでなく、逼迫する医療制度の負担を大きく削減できると期待されています。約150万人の患者がこれらの治療法の恩恵を受けると想定されます。患者が長期間にわたって健康を維持できるようになれば、入院件数の減少、薬剤費の削減、専門医への受診の回数の減少といった形で、医療費の削減が実現されると期待されています。

「精密医療が切り拓く治癒の未来」白書シリーズでは、日本、中国、韓国、オーストラリアで、精密医療、経済・医療政策、患者体験という分野にかかわる、卓越した地域の専門家16人からなる諮問委員会の支援を受けて作成されました。また、Johnson & Johnson社がこの白書を後援しています。

こちらからPDFをダウンロードし、精密医療が切り拓く治癒の未来をご確認ください。

日本レポート英語版はこちら

オーストラリアレポートはこちら

韓国レポートはこちら

中国レポート英語版はこちら、中国語版はこちら

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病院の優先事項調査


L.E.K. Consultingは毎年、アジア太平洋(APAC)地域の病院経営層数百名を対象に調査を実施し、病院の優先課題や購買行動の変化を明らかにしました。本調査は、ヘルスケア企業がステークホルダーとの関係構築を強化し、製品・サービス戦略をより的確に設計するための実用的なインサイトを提供することを目的としています。 

以下は、日本の病院に焦点を当てた本年の調査結果の主要ポイントです。 

財務見通し – 病院は厳しい予算状況に対応しながらも、将来の収益性に一定の期待を寄せている 

日本の病院の60%以上が現在も赤字経営にあり、特に急性期病院では、COVID-19のパンデミックによってその状況がさらに悪化しました。 

小規模病院(20~299床)は臨床スタッフの人件費負担が重く、一方で大規模病院(300床以上)は設備投資や医療物品への支出拡大を見込む傾向があります。 

財務面の課題が続く中でも、前向きな期待感も見られます。大規模病院の約70%は、今後3年以内にEBITDAマージンが10%を超えると予想しています。 

戦略的優先事項 – 病院は、業務効率化、診療の標準化、そして人材の持続的な確保・定着を重視している 

全体として、コスト管理、診療の標準化、スタッフの定着が優先事項に挙げられています。 

大規模病院はデジタルヘルスへの投資を加速させ、小規模病院は医療消耗品コストの削減を重視しています。 

2024年の医師の時間外労働規制により、特に大規模病院では働き方改革が進んでいますが、課題も残ります。大規模病院では実行ノウハウや具体的ソリューションの不足、小規模病院では資金不足が主な障壁となっています。 

医療の質と業務効率の向上を目的としたデジタルソリューションへの関心は高いものの、1) IT・デジタル人材の不足と、2) インフラ・技術力の限界という2つの大きな課題が導入の妨げとなっています。 

機器の購入とメンテナンス – 病院はコスト管理の一環として、調達の標準化を推進している 

購買判断において最も重視されているのはコストであり、次いで製品の革新性が続きます。 

高額な医療機器ほど、病院経営層(CEO、ディレクター、CFOなど)が意思決定に関与する割合が高くなります。 

コスト最適化を図るため、特に消耗品を中心に、取扱品目やサプライヤーを絞る調達の標準化が進んでいます。 

高額な機器ほど保守業務を外部に委託する傾向があり、国内のメドテック企業はサービス・サポートの信頼性が高いと評価されています。 

2025年に向けた日本の病院の優先課題に関する詳細レポートは以下のリンクからダウンロードください。 

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先進in vitroモデル:創薬の機会と課題


Key takeaways

The recent announcement by the U.S. Food and Drug Administration (FDA) phasing out animal testing requirements for monoclonal antibodies has created a significant tailwind driving accelerated adoption of advanced in vitro models.

While the FDA announcement signals a clearly defined future state with reduced reliance on animal testing, the real-world uses of advanced in vitro models today are niche given continued reliance on legacy approaches — namely, low-cost 2D culture models and animal models for assays that must reflect the complexity of in vivo systems. 

Due to high validation thresholds to either augment or replace in vivo models, as well as organizational silos and a lack of clear regulatory guidance, advanced in vitro models have historically been relegated to supplementary roles rather than replacing primary assays, adding to costs and limiting their integration into standard development workflows.

To accelerate adoption of advanced in vitro models and build on the momentum of the FDA’s recent announcement, suppliers must strategically focus on well-defined use cases, generate targeted validation data, and tailor a clear deployment model that aligns with drug development workflows and demonstrates a strong, evidence-based value proposition. 

先進in vitroモデルは、前臨床試験の新たなアプローチ

製薬会社の創薬と前臨床開発への投資額は年間500億ドルを超えていますが、新薬のうち、承認に至るのはわずか3%にとどまっています。1この投資の大部分は、過度に単純化された実験系(例:2Dの不死 化細胞)、予測力に乏しい実験系(例:げっ歯類モデル)、倫理的配慮をが大きい実験系(例:霊長類モデル)に費やされています。しかしこれらの方法では、ヒトの病態生理を十分に再現できず、候補化合物の安全性と有効性を正確に予測できていません。

多くの実験は、動物データに大きく依存するIND(治験届)関連ガイドラインに基づいて実施され、従来型のモデルの使用が固定化されています。その結果、製薬会社は生物学的機能・表現型に部分的な洞察しか与えない最適とは言えない実験ツールで開発を進めざるを得ず、結果として、ターゲットや候補の多くが開発後期に無効と判明してとん挫する、高コストの開発サイクルを招いています。これにより、成功見込みの低いプロジェクトに、多大なリソース(時間、資金、人員)が割かれてしまっています。

先進in vitroモデルは、in silicoモデルや人工知能(AI)洞察と並んで、前臨床のより早期段階で候補選別の質を高めうる新しいツール群です。2 近年、FDA Modernization Act 2.0やISTANDプログラムといった取り組みが規制上の障壁を和らげ、非動物手法の検証を促し始めています。3,4さらに最近、モノクローナル抗体(mAb)の医薬品開発おける動物実験要件の段階的廃止というFDAの発表は大きな前進を示しています。

FDAの最近のガイダンスはまだ大枠にとどまるものの、先進in vitroモデルの受容拡大に向けた規制の機運が高まっていることを示唆しています。これらのモデルは、単純な2D細胞モデル(in vitro)と、費用が高くスループットが低く倫理面の懸念もある動物モデル(in vivo)のギャップを埋めることを狙い、組織や臓器系をより近似し、肝・腎・心など重要臓器における安全性・有効性の予測データを提供し ます。

適用領域やバリューチェーン上の位置づけに応じ、先進モデルには以下のアーキタイプがあります。

  • オルガノイドは、初代または不死化細胞の小クラスターからなり、臓器によっては複数の細胞種を含みます。特定の細胞は自己組織化してマクロ構造を形成し、2Dモデルより生理学的に関連性の高い 特性を示します。小型・簡便・低コストのため**高スケール(96〜384穴)**が可能で、ヒット・トゥ・リード段階などバリューチェーンの早期で活用しやすいです。
  • 臓器チップシステム(Organ-on-chipシステム)は、特定臓器の初代培養細胞または不死化細胞(内皮細胞を含む多細胞であることが多い)を配置したマイクロ流体デバイスで構成されます。チップ全体の流路内で血流を模倣すること により、生理学的な関連性を高めます。複雑な設計と製造リードタイムにより高コストであり、スループットにも限りがあります(24ウェルまたは48ウェル)。そのため、主にリード最適化段階に用いられます。
  • ティッシュエンジニアリング・人工臓器は未だ開発の初期段階にあり、複雑性とコストから後期のニッチな用途で利用されることが多いです。

これら先進in vitro系は、意思決定の質を高める有望なデータを示し、PTRS(技術的・規制上の成功確率)の向上を狙います。例えば、肝オルガノイド/チップはALT・ASTといった肝安全性バイオマーカーを生理学的に妥当なレベルで産生し、固形腫瘍オルガノイドは腫瘍微小環境を再現して送達最適化や有効性評価に資します。

ただし、適用可能性は広い一方で、コスト効率やスループットでは2Dに劣り、バリデーションと規制受容では動物モデルに劣るという「中途半端な位置」に陥り、導入が進みにくいという逆風にも直面してきました。 

図1

創薬と前臨床のバリューチェーンにおける先進in vitroモデル利用のマッピング

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創薬と前臨床のバリューチェーンにおける先進in vitroモデル利用のマッピング

図1

創薬と前臨床のバリューチェーンにおける先進in vitroモデル利用のマッピング

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創薬と前臨床のバリューチェーンにおける先進in vitroモデル利用のマッピング

本エグゼクティブ・インサイトでは、採用を妨げる逆風を概観し、それを乗り越える戦略を論じます。先進インビトロモデルは人に関連する有望な(しばしば漸進的な)洞察を提供しますが、探索から前臨床までの役割拡大にあたり、L.E.K.は4つの主要課題を特定しました(図2参照)。

図2

導入における主な課題

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導入における主な課題

図2

導入における主な課題

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導入における主な課題

1. 探索・前臨床ワークフローにおける in vitro / in vivo の既存モデルは強固に根付いている

In vitroとin vivoモデルは、長年、医薬品開発の基盤をなしてきました。決して最適な方法ではありま せんが、信頼性と実用性に優れ、臨床的効果の高い医薬品の開発を支え続けてきたことがその理由で す。In vitroは、一般的に2D細胞培養モデルで構成されています。これらは単純なモデルであるものの、製薬会社は単一リードアウトのアッセイでハイスループットフォーマット(384ウェルプレート)を活用 し、大規模な化合物ライブラリの有効性や安全性の評価を行っています。これらの2D細胞培養モデルのアッセイでは、多くの場合、疾患(例:乳がん)の再現や、安全性試験(例:hERGのイオンチャネル)が主に行われます。先進in vitro系は、より高い精度が期待できます。しかし、スループットが高い2Dモデルが広く定着していることが採用への高い障壁となっています。

さらに、先進in vitro系は費用が高いため、精度の高さなどによる優位性の観点だけでは正当化できな い可能性があり、実用性が重要な検討材料となります。このところサプライヤーは、単純な2Dモデルでは満たすことができない複雑な疾患領域(例:がん免疫療法や筋ジストロフィー)や、高度なモデルにより以前よりも高いスループットが可能になった領域に重点的を置いています。スループットの向上と疾患発症メカニズムへの洞察を深めるために、高度なモデルへのAI統合がますます進んでいます。AIと機械学習 (ML)のアルゴリズムは、複雑なデータの簡素化や、早期における有効性と毒性のパターンの特定に役立ちます。

In vivoげっ歯類モデルは、一般的にリード化合物の最適化から始まり、生理学的に関連性のあるシステムで新薬候補を評価するために用いられます。これらのモデルは、一匹から複数のリードアウトが得られることが多く、一連の試験(安全性、有効性、ADME)に活用されます。

例えば、用量の漸増試験では、肝臓、腎臓、心臓などの臓器の毒性評価や病理学的評価を行うこともできます。

先進in vitroモデルはin vivoモデルと同等の予測性を得られる可能性があります。しかし、生理学的複雑さや生理学的状況(例:多臓器系)の欠如により、広範な利用には限界があり、研究者がin vivoモデル から置き換えるのを妨げてきました。動物モデルは、リソース集約型で橋渡し研究の価値が限られます(例:非ヒト霊長類)が、先進in vitroモデルへの入り口と見なされてきています。最近サプライヤーは、特定の単一リードアウト(例:遺伝子治療、力価の最適化)に多くの動物が使用されるユースケースに狙いを定めています。

サプライヤーは、これらのモデルにAIやMLを組み込むことにより、モデルのベクトル化能力、カプシド設計の最適化予測、導入効率の理解の分野で研究者をサポートしています。AIと高度なシステムは、遺伝 子治療以外においても、心毒性や免疫反応などの複雑で予測性が不十分な領域で動物使用の削減に役立っています。このことは、先進システムが、FDAが目標とする動物実験の削減、さらには廃止の実現に向けた重要な出発点となる可能性を示しています。

2. 先進in vitroシステムは、完全に検証されるまでは追加コストが掛かる可能性が高い

現在受け入れられている従来のモデルから先進in vitroモデルへの移行について説得するにあたり、検証が重要な鍵となります。しかし、これは未だに高いハードルとなっています。十分な検証ができない限り、研究者は従来の実験を続けなければなりません。つまり、先進in vitroモデルは代替モデルではなく追加コストとなることを意味します。製薬会社のステークホルダーは、回顧的バリデーションと予測的バリデーションを要求するケースが多くあります。回顧的バリデーションでは、先進in vitroモデルにおいて類 似の特異性と感度が予測できることを示すために、サプライヤーは既知の毒性プロファイルを持つ治療薬を活用します。臨床試験で失敗した治療薬のうち、従来のin vitro、in vivoモデルでは毒性がないとみなされていても、他のモデルでは毒性が検出されたケースがあります。

ステークホルダーはまた、他の研究者が先進in vitroツールをうまく活用し、医薬品が臨床試験へ進み、最終的には承認取得につながるための後押しをする予測的バリデーションも求めています。回顧的バリデーションと予測的バリデーションは、高額な先行投資と複数の推進者による早期の導入が必要であ り、結果としてコストが掛かります。.

現在のコストと時間の制約がある環境の中において、とりわけ既存の実験を置き換えるものではない研究を正当化することは難しい状況にあります。これらの追加コストを正当化することにおいて、サプライヤーは依然として逆風にさらされています。広範にわたる検証がない限り、先進in vitroモデルは開発ワークフローの付加的な役割に留まる可能性があります。

この状況を打開するために、サプライヤーは価値提案を磨き上げ、実用性を明確に明示して推進者を増やして行かなければなりません。規制当局への信頼性と商業利用を高めることを目的として、既知の臨床試験結果に対して、モデルの検証やベンチマークのためにAI/MLを活用するサプライヤーが増えています。AI/MLアルゴリズムは、高次元データ(例:トランスクリプトミクス、表現型スクリーニング)を分析して、In vitroモデルが関連する疾患生物学や薬剤反応と一致していることを証明することができま

す。FDAの最新のガイダンスにより、高度なin vitroモデルのアプローチの周辺で幅広い協業体制が加速され、信頼が築き上げられ、機運が高まる可能性があります。

3. 先進in vitroモデルの価値は下流で蓄積され、購買関係者まで届かない可能性がある

創薬と前臨床のチームは、臨床チームとの間でサイロ化が存在することが多く、先進in vitroモデルの価値を十分に引き出すことができません。この連携不足により、購買チームはPTRSの向上など、早期の適切な意思決定がもたらす下流におけるメリットを認識できない可能性があります。例えば、創薬研究者 が肝毒性プロファイルを持つ新薬候補を除外するのにオルガノイドモデルが役立つ場合、肝障害リスク の低いリード候補物質を前臨床試験や臨床試験に用いるメリットが気付かれないまま進む可能性があります。

チーム間での可視性の低さのために、初期段階において失敗した創薬の影響が十分に認識されない可能性があるため、コストと時間の節約にも影響が出ます。新薬候補がバリューチェーンのある段階から次の段階が移る時に、これらの効率改善やコスト削減が見過ごされることもあります。さらには、「早期に候補から外す」ことが常に奨励されているわけではありません。研究者の評価は、新薬候補の数を指標とすること多く、必ずしも下流における成功に基づくものではないためです。

先進in vitroモデルの価値を示すために、サプライヤーは、ツールが重要な意思決定(例:初期段階における安全性や有効性の示唆に基づき候補物質の優先度を下げる)にどのように役立つか追跡し、生産 性の向上(例:時間やコストが掛かるin vivoモデルと比較して)について強調していかなければなりません。それぞれの臨床資産には複数のモデルと数百にもわたる実験が用いられることがある一方で、サプライヤーは、先進in vitroの各モデルの価値提案に頼りながら製薬業界にその効果を納得させなければならず、従って、これらのプロセスは困難を伴います。

4. FDAによる最近の発表は前進を示しているが、広い範囲で動物モデルを置き換えるのには時間と慎重なプロセスが必要

従来のin vitro、in vivo試験と比べ、先進in vitroモデルを支持する証拠が増えてきているにもかかわらず、FDAはこれらの技術を全面的に受け入れ、規制枠組みの中に取り込むのに時間がかかっています。FDAはここ数年、ガイダンス文書の発行、法案策定(例:FDA近代化法2.0)、適格性評価プログラムの着手(例:ISTAND)、共同研究支援など段階的に進めてきました。ただし、採用ペースは慎重です。

FDAの最新ガイダンスでは、動物使用の削減と代替モデルへの移行に関してより積極的な姿勢が示されています。しかし、mAbの霊長類実験要件の段階的廃止以外、ロードマップは依然として要望のレベルです。限定的に既に活用されているアプリケーション(例:肝臓臓器チップ)を除けば、先進in vitroの領域は発展前の段階にあり、新たなモデルの多くは検証や出資者からの信頼が不足しています。FDAは、ボディ・オン・チップのシステムや薬物動態向けAI/MLモデルなどの初期段階の構想を強調しています が、規制側の期待や導入への具体的な道筋については明らかにしていません。

FDAはより予測可能なツールへの移行を支持する姿勢ですが、現在のところ、検証や規制の根拠に関する負担は製薬会社側に掛かっています。そのため、製薬会社側は、FDAがオルガノイドや臓器チップシス

テムからのデータを実際に受け入れるかどうかを見極めなくてはならない状況にあります。加えて、FDAと製薬業界は、見慣れない毒性データを使った研究を行うことに消極的な臨床チームなど、他の関係者にも説明しなくてはなりません。

そのような状況にあっても、このガイダンスは転換点としての大きな意義を示しています。短期、中期、長期にわたる業界と規制側の対応により、導入が加速的に進むか、または遅いペースで進むのかが決まります(図3参照)。製薬会社は、規制側の認識を変えるために必要な検証データを生成することにおいて重要な役割を果たします。これは特に、従来のモデルでは高コストの上、予測性が不十分な優先度が高いユースケースにおいて重要です。効果的な導入には組織的な検証、より明確な期待、また高度なin vitro、in silico、AI/MLモデル全体へのサポートが必要です。これらを進めることができれば、FDAのガイダンスは、製薬会社の壁や組織を超えた幅広い導入の取り組みにつながります。そして、この取り組みが真の変化をもたらすことになれば、サプライヤーには意義のある追い風となります。

図3

FDAによる最近の発表に伴う先進in vitroモデルの今後の導入シナリオ

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FDAによる最近の発表に伴う先進in vitroモデルの今後の導入シナリオ

図3

FDAによる最近の発表に伴う先進in vitroモデルの今後の導入シナリオ

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FDAによる最近の発表に伴う先進in vitroモデルの今後の導入シナリオ

先進in vitroモデルの導入を拡大し、効果を高めるために、サプライヤーとユーザーが検討すべきいくつかの重要な成功要因があります。これらの課題を前提として、先進in vitroモデルのサプライヤーは、市場においてどのように導入を加速させ、成功につなげることができるでしょうか?また、製薬会社のステークホルダーは、FDAによる最近の発表を追い風として、医薬品開発プロセスにこれらのモデルを統合することにより、どのように有意な効率性と投資収益率の向上につなげることができるでしょうか?

  • 焦点を絞ったアプローチを追求し、価値提案に磨きをかける。サプライヤーは導入への障壁を取り除くために、十分に満たされていないニーズや市場の課題が存在する疾患領域とユースケース(例:安 全性と有効性)について理解を深めなければなりません。これには、サプライヤーの技術が医薬品開発のバリューチェーン内のどのプロセス(例:標的分子の同定、薬剤スクリーニング、新薬候補の選

    択、リード化合物の最適化、臨床試験支援)に適合するのか明確に定義することが含まれます。それと同時に、製薬会社は統合を拡大するための第一歩として、特にコストが高く予測性が不十分な領域において、先進in vitroシステムの導入がもたらす価値について積極的に評価を進めていく必要があります。
  • 価値提案の妥当性を証明するのに必要なデータセットを戦略的に構築する。サプライヤーは、主なユースケースをもとに、新たなソリューションが既存のモデルをどのように補完するのか(例:安全性に関する懸念への対処)、どのように置き換えるのか(例:有効性においてHTSより優れる)、またはどのように現在の障壁を取り除くことができるのか、ということを示すために必要な重要な根拠を特定しなければなりません。これにより、製薬会社は自社のワークフローに新たなシステムを統合することに確信が持てるようになります。 FDAの最近のガイダンスは、医薬品開発のワークフローにおいて、これらのモデルが補助ツールとしてではなく、最優先のモデルとして受け入れるためのより明確な道筋が明らかになりつつあることを示唆しています。製薬会社のステークホルダーは、特に優先度の高いユースケースにおいて、従来のツールと並行し、この取り組みにおいて検証の実施やサポートすることで協力関係に目を向けるべきときが来ています。.
  • 明確な導入モデル/ビジネスモデル(例:製品、サービス、またはハイブリッドアプローチ)を定め る。サプライヤーは、コア技術をはじめ、データ分析、法規制への対応支援、検証的試験などの補助的サービスまで、何が提案に含まれるか明確に定義しなければなりません。さらには、先進in vitroシステムの知識が十分ではない顧客のために導入障壁を低くし、ソリューションの価値提案を明確に示すためにモデルの調整を行います。FDAが動物モデルからの移行を進める中で、製薬会社は、既存の研究開発フレームワークにおいてこれらのモデルを効果的に導入するためにサプライヤーのサポートが必要となります。

提案を磨き上げ、業界のニーズとの整合をとることにより、サプライヤーは導入への障壁を打開し、先進 in vitroモデルの価値をより効果的に示すことができます。製薬会社は、これらのモデルが適合する領域を識別し、導入に向けて社内の体制を整えながらモデルがより大きな役割を担う未来に備える必要があります。

L.E.K.では、高度なin vitro市場における機会と課題を探索するため支援を行っています。詳細については、当社までご連絡ください。進化しているこの分野で成功を収めるための戦略的アドバイスを提供します。

詳細については、こちらまでお問い合わせください。

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バイオ医薬品と量子コンピューティング:今後の展望と戦略的洞察


量子コンピューティング — バイオ医薬品にどのように役立つか?

臨床基準の引き上げ、複雑な薬剤モダリティへの需要増加、開発期間の長期化により、新規分子化合物の開発はますます困難になってきています。新規化合物1件あたりの年間研究開発費(創薬から上市ま で)は推定で15億米ドル〜35億米ドルに達し、上位15社の製薬会社の年間研究開発費は2010年以来およそ約1.5倍に増加し、2030年までに最大180億ドルに達すると予測されている。1 さらに課題を複雑化させているのは、米国におけるインフレ抑制法(Inflation Reduction Act)により製品ライフサイクルが短縮されることから、イノベーションの加速を求められている点であります。加えて、2030年までのバイオ医薬品の特許期限切れによって、2,000億米ドル以上の収益がリスクにさらされる可能性があり ます。

人工知能(AI)や量子コンピューティング(QC)分野における技術的進歩は、バイオ医薬品業界が直面するスループットや支出の課題解決に役立つ可能性があるでしょうか?文献数の増加傾向からも明らかなように、過去5年間でAIは急激に成長しており、量子コンピューティングもその後に続いています(図1参照)。量子コンピューティングは量子力学の原理を活用し、従来型コンピューティングよりも指数関数的に高速で情報を処理します。かつてない処理能力と問題解決能力により、量子コンピューティングとAIがバイオ医薬品業界にもたらす変革の可能性は計り知れません。

図1

PubMedでQCとAIが取り上げられた数(2000年10月〜2024年)

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PubMed mentions of QC and AI (October 2000-2024)

図1

PubMedでQCとAIが取り上げられた数(2000年10月〜2024年)

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PubMed mentions of QC and AI (October 2000-2024)

これまでのところ、AIはその相対的な成熟度、利用しやすさ、そして市場への準備状況のために、これまでに多額の投資を受けてきました。しかし、AIの成長が量子コンピューティングの損失になるわけではありません。量子コンピューティングとAIは補完的な関係にあります。量子コンピューティングは、AIシステムの学習と推論を高速化し、従来型コンピューティングでは困難であった方法でデータを処理できる能力を可能にします。これにより、現在得ることができないコンピューターの可能性を引き出すことができます。

量子コンピューティングへの投資は世界的に拡大しています。量子コンピューティング市場への累計投 資は官民双方によって支えられており、米国で約80億米ドル、中国で約150億米ドル、そして英国・フランス・ドイツを合わせて約143億米ドルに達しています(2024年時点)。一方で、量子技術への民間投資は、資金調達環境の逼迫や金利の上昇により、COVID-19時の高水準から減少した(2022年の民間投資は全世界で23億ドル、2023年は約13億ドル)一方で、この10年間の量子関連の知的財産(IP)の開発は大幅に増加しています。

投資とIPの開発に加えて、量子情報の基本単位である量子ビット(qubit)を通じた量子コンピューテ ィングの能力は劇的に向上してています。IBMは、2016年に5量子ビットのプロセッサーからスタートし、2022年には433量子ビットのプロセッサーを実現し、2025年には1,000量子ビット超を目指しています。この進展は業界全体に及んでおり、Google、IonQ、QuEraなどの企業も量子ビット容量において著しい改善を示しています。

バイオ医薬品業界における関心の高まりが量子コンピューティング実用化への推進力となる

このような高付加価値の量子コンピューティングのユースケースが存在することから、L.E.K.コンサルティングが実施した米国および欧州のバイオ医薬品関係者約300名を対象とした調査で、90%以上が量子コンピューティングおよびその可能性を認識している結果は驚くべきことではありません。さらに、回答者の約50%(バイオ医薬品企業110社)が、主要な概念を理解しており、量子コンピューティングに触れた経験がある、あるいはその応用について調査したことがあると回答しました(図3参照)。

図2

バイオ医薬品の6つの機能別領域と量子技術のユースケース

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Six areas of biopharma capabilities for quantum technology use cases

図2

バイオ医薬品の6つの機能別領域と量子技術のユースケース

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Six areas of biopharma capabilities for quantum technology use cases

今回の調査では、量子コンピューティングが大きな初期的発展を遂げており、学術研究段階から専門 的な実用前の段階へと移行していることが示唆されています。この段階では、商業的価値を生み出すための基盤を築くべく、実用的なアルゴリズやアプリケーションの開発に重点が置かれています。バイオ医薬品関係者のおよそ44%は「アーリーマジョリティ」であり、量子コンピューティング導入する前にエビデンスを待っている一方で、30%はイノベーターまたはアーリーアダプターとして、積極的にイノベーションを推進しようとしています。量子コンピューティングへの投資は今後拡大する見込みであり、製薬会社の50%が今後5年間には年間200万〜1,000万米ドルの予算を計画し、20%の製薬会社が1,100万

〜2,500万米ドルを見込んでいます。これは、量子コンピューティングの利点に対する認識の高まっていることを反映しています(図4参照)。

図3

バイオ医薬品業界におけるQCの認識

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Biopharma familiarity with QC

図3

バイオ医薬品業界におけるQCの認識

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Biopharma familiarity with QC

製薬会社は、製薬バリューチェーン全体にわたって量子コンピューティングの応用を試みており、まずは創薬と臨床試験に焦点を当てています(図5参照)。

持続可能性、コマーシャル・オペレーション、製造、製品開発の分野におけるケイパビリティ拡張も、量子コンピューティング技術によって可能になると考えられます。しかし、各ユースケースでの具体的な影響や最適な量子コンピューティングのモダリティについては、まだ定義されていません。

ここ最近における量子コンピューティングの顕著な進歩は、バイオ医薬品企業に量子処理ユニットや量子技術のイネーブラー活用の必要性を高めている
この分野に高い関心と投資を背景に、量子コンピューティングの状況は急速に変化しており、エコシステム全体で大きな技術的進歩がみられています。2024年における大手テック企業の主なマイルストーンには以下がが含まれます。

  •  IBMが、最先端の量子コンピューターQuantum Heron(156論理量子ビット)を発売
  • Google Quantum AIが、超伝導量子計算システムのエラーを指数関数的に削減し、性能を向上させる新型量子チップWillowを発表
     

図4

バイオ医薬品企業は、パートナーシップを通じて量子コンピューティングの活用能力を高めていくことが期待される

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Biopharma expects to develop quantum capabilities by leveraging partnerships

図4

バイオ医薬品企業は、パートナーシップを通じて量子コンピューティングの活用能力を高めていくことが期待される

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Biopharma expects to develop quantum capabilities by leveraging partnerships

量子コンピューティング専業企業による進歩も著しく、これらには次が含まれます。

  •  IonQの量子コンピューターTempoが2量子ビットのゲート忠実度において99.9%を達成し、トラップドイオン技術のリーダーとしての地位を築く
  • Quantinuumは、システムモデルH2で、従来モデルよりも3倍の12論理量子ビットを達成

量子コンピューティングにおけるこれらの発展に伴いに、2つの主要なステークホルダーグループが台頭しています。それは、量子処理ユニット(QPU)を提供する企業と、量子コンピューティングのアクセスを可能にする、イネーブラーです。これらのステークホルダーは、量子コンピューティングの推進力と資金調達を牽引しています。AI関連企業との関わりと同様に、バイオ医薬品業界関係者は、量子コンピューティングエコシステムのプレーヤーと積極的に協道し、これらの技術を最大限に活用するとともにこの進化する分野で競争力を維持するべきであります(図6参照)。

図5

QCによるメリットが大きいバリューチェーンの活動

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QC benefits across the value chain

図5

QCによるメリットが大きいバリューチェーンの活動

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QC benefits across the value chain

特殊な市場での競争には戦略的パートナーシップが必要

量子コンピューティングエコシステムの複雑性が増す中で、ワークフローの統合を成功させるには、戦略的パートナーシップを通じてケイパビリティを構築することが不可欠になります。注目すべき協業例としては以下が挙げられます。

  •  IBM Quantum、GSK、Moderna、AstraZeneca: IBMの量子プロセッサーHeronとCondorを使って伝令RNAの研究と臨床データのインピュテーションを最適化
  • Google Quantum、Boehringer Ingelheim: Googleの量子プロセッサーSycamoreを使って創薬のための分子シミュレーションのアルゴリズムを探索

これらのパートナーシップは、製薬のワークフローへの量子コンピューティングの統合に対する業界の取り組みを強調しており、技術的課題を克服し、実用性を達成するため必要な協調的努力を浮き彫りにしています(図7参照)。社内の専門知識を構築し、外部パートナーシップを育成することは、必要な人材を迅速に活用するために極めて重要です。迅速に行動する企業は競争上の優位性を獲得し、この新興分野のリーダーとしての立場を確立することができるでしょう。

図6

放射性医薬品の設計原理と種類

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Growing number of new stakeholders in the evolving QC ecosystem

図6

放射性医薬品の設計原理と種類

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Growing number of new stakeholders in the evolving QC ecosystem

短期的な展望:量子コンピューティング、AI、従来型コンピューティングの組み合わせ

最も有望な短期的進展は、量子コンピューティングをAIおよび従来型コンピューティングと組み合わせたハイブリッドワークフローです。この組み合わせにより、核技術の強みを活かし、複雑なシステムのより正確なシミュレーション、強化された機械学習モデル、そして大規模データセットに対する高速かつ効率的なプロセス最適化が可能となります。量子コンピューティングが従来型コンピューティングやAIを補完し特に創薬と開発に飛躍的進歩をもたらすと期待しているバイオ医薬品業界関係者は70%を超えています。

例えば、Qubit Pharmaceuticalsは、低分子創薬におけるターゲット特性解析や分子動力学に量子コンピューティングを活用する一方で、AI駆動の生成モデリング、バーチャルスクリーニング、予測分析も同時に行っています。また、Qubit社はPasqal社と提携し、従来型コンピューティングと量子コンピューティングの両方を活用して、タンパク質、新規化合物、および水分子を高精度でモデリングしています。

さらに、IonQとAstraZenecaと連携し、AstraZenecaのBioVentureHub内にアプリケーション開 発センターを設立し、創薬および開発における量子コンピューティングの進展を目指しています。加えて、IonQは、NVIDIA、AstraZeneca、AWSと協力し、計算ツールを活用した創薬の推進に取り組んでおり、AWSの従来の実装と比べて、分子シミュレーションで20倍の高速化を実現しました。これにより、量子加速型のバイオ医薬品開発及び材料科学の実現に道を開いています。

さらに、AIを量子コンピューターで実行するなどの進展も期待されていますが、実現までにはより長い時間を要すると見込まれています。

これからのバイオ医薬品と量子コンピューティング

量子コンピューティングの製薬業界への統合は創薬と臨床試験に革命をもたらす大きな可能性を秘めています。量子コンピューティングは、拡張可能なハードウェア、高度なエラー緩和及び訂正、そして専用的なアルゴリズムを必要とする長期的(5〜10年)な戦略的投資ではありますが、その提供する機会は非常に大きいものです。量子コンピューティングは予測分析を強化し、臨床試験設計を最適化し、新規治療法の発見を加速することで、創薬のスピードを高め、新薬の市場投入までの時間を短縮することができます。

人材獲得や急な学習曲線といった現時点での課題にもかかわらず、戦略的投資、パートナーシップ、AIとの統合により、製薬業界は量子コンピューティングの変革的な力を活用することが可能になります。今後も協力とイノベーションの継続が極めて重要になるでしょう。

バイオ医薬品業界の関係者は、量子コンピューティングの利点を効果的に活用し、競争力を維持するために、以下の重要な問いに取り組む必要があります。

  • 自社では、特に研究開発など主要な機能での量子コンピューティングを施行し導入するための明確な計画を持っていますか?
  • 研究開発の中で、量子コンピューティングに最も適したユースケースは何ですか?それらを特定する基準は何ですか?
  • 量子コンピューティングの潜在的価値を研究開発で実現するために、外部パートナーシップや、共同研究と内部ケイパビリティのバランスをどのようにとるべきですか?
  • 量子コンピューティングを効率的に導入するために、特に人材、ハードウェア、データ基盤、ソフトウェアに関して、どのような社内の運用モデル要件を満たす必要がありますか?
  • 量子コンピューティングはどの程度AIと併用するべきですか?初期段階から統合(例:ハイブリッドなワークフロー)にすることに利点はあるのでしょうか?

れとも、統合前に独立して運用すべきでしょうか?自社にとって最適なロードマップは何ですか?

これらの問いついて検討し、戦略的に量子コンピューティングへの投資することで、製薬業界は創薬、臨床開発およびオペレーション、サプライチェーン、製造の各分野において新たな機会を活用し、飛躍的な進歩を遂げることができます。

注:L.E.K.は、Google、IONQ、Qubitを含むAIおよび製薬分野の専門家への複数のインタビューを実施し、本調査結果の裏付けと洞察の補強を行いました。

詳細については、こちらまでお問い合わせください。

図7

大手製薬会社はQC関連組織と関係を築いている

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Major pharma companies have established relationships with QC organizations

図7

大手製薬会社はQC関連組織と関係を築いている

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Major pharma companies have established relationships with QC organizations

The near-term impact: Intersection of QC, AI and classical computing

The most promising near-term advancement is combining QC with AI and classical computing in hybrid workflows. This combination leverages the strengths of all technologies, enabling more accurate simulations of complex systems, enhanced machine learning models and improved process optimization for larger datasets at significantly faster speeds. More than 70% of biopharma stakeholders anticipate that QC will augment classical computing and AI, offering more precise and efficient solutions, especially in navigating breakthroughs in drug discovery and development.

For example, Qubit Pharmaceuticals leverages QC for advanced target characterization and molecular dynamics within small-molecule drug discovery while simultaneously utilizing AI-driven generative modeling, virtual screening and predictive analytics. Additionally, Qubit has partnered with Pasqal to leverage both classical computing and QC to model proteins, NMEs and water molecules at high levels of accuracy. 

Further, IonQ’s collaboration with AstraZeneca includes the creation of an applications development center within AstraZeneca’s BioVentureHub to advance QC for drug discovery and development. In addition, IonQ has collaborated with NVIDIA, AstraZeneca and AWS to advance drug development using computational tools — achieving 20x speedups in molecular simulations versus AWS’ previous implementation — and paving the way for quantum-accelerated biopharma and materials science.

Further advancements, including running AI on quantum computers, are exciting but not expected to be seen for longer periods of time.

The path forward for QC in biopharma

The integration of QC into the pharmaceutical industry holds immense potential to revolutionize drug discovery and clinical trials. While QC represents a longer-term (five-to-10-year) strategic investment requiring scalable hardware, advanced error mitigation and correction, and specialized algorithms, the opportunities it presents are significant. QC can enhance predictive analytics, optimize clinical trial designs and expedite the discovery of novel therapies, ultimately accelerating drug development and reducing time to market for new treatments.

Despite current challenges such as talent acquisition and a steep learning curve, strategic investments, partnerships and AI integration can enable the industry to harness QC’s transformative power. Continued collaboration and innovation will be crucial.

Biopharma stakeholders should address the following key questions to effectively utilize QC’s benefits and remain competitive:

  • Does my organization have a clear plan on how to experiment with and deploy QC within key functions, especially R&D?
  • Within R&D, are there specific use cases that would be most appropriate for QC? On what basis should these be identified?
  • How do I balance external partnerships and collaborations alongside internal capabilities to accelerate realization of the potential from QC in R&D?
  • To implement QC effectively, what key internal operating model requirements must be met, specifically regarding talent, hardware, data infrastructure and software?
  • To what extent should QC be leveraged alongside AI? Is there a benefit from integrating early (e.g., hybrid workflows) or operating independently prior to integration? What is the optimum roadmap for my organization?

By considering these questions and investing strategically in QC, the pharmaceutical industry can harness new opportunities and achieve remarkable progress across drug discovery, clinical development and operation, the supply chain, and manufacturing.

Note: L.E.K. conducted a number of interviews with both AI and pharma experts including Google, IONQ, Qubit and others to help triangulate and inform the findings.

For more information, please contact us.

L.E.K. Consulting is a registered trademark of L.E.K. Consulting LLC. All other products and brands mentioned in this document are properties of their respective owners. © 2025 L.E.K. Consulting LLC

Endnote
1L.E.K. analysis of Evaluate Pharma. 

Questions about our latest thinking?

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がん治療用コンパニオン診断薬の新規立ち上げ:製薬企業が取るべき7つの戦略


Key takeaways

Biopharma companies should integrate companion diagnostics early by adopting an opt-out approach and planning in preclinical stages.

Failing to align diagnostic and therapeutic timelines can lead to lost revenue, slower adoption and reduced market impact.

Effective launches require navigating unique operational hurdles, building distinct Dx strategies and leveraging the right partners.

To succeed, companies must invest in internal Dx expertise, align cross-functional teams and plan proactively for long-term diagnostic evolution.

近年、早期遺伝子スクリーニング、標的療法、そしてその他の精密医療(Precision Medicine)の発展により、がん患者の治療は大きく変革され、治療成績も大幅に向上しています。これらの進歩は、製薬分野への投資拡大を後押しする大きな価値創造にもつながっています。精密医療は、バイオマーカー戦略を活用することで、研究開発の効率化や選択肢の拡大、規制当局への申請支援、小規模で生産性の高い臨床試験の実現を可能にし、治療薬の開発・商業化・差別化を成功へ導きます。しかし、がん領域において精密医療治療薬で商業的成功を収めるには、適格患者を特定し、治療継続の判断に必要となるコンパニオン診断薬(CDx)を効果的に導入することが不可欠です。

過去10年間、バイオマーカーを活用したオンコロジー領域の臨床試験の割合は、米国や中国の厳しいマクロ経済環境の影響でパンデミック後に一時的な減少を見せた時期を除き、全体の試験数の増加とほぼ並行して着実に拡大してきました。2024年には、オンコロジー領域の臨床試験全体の約4分の3でバイオマーカーが使用されています(図1参照)。

図1

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Biomarker use in oncology trials, by year (2015-24)

図1

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Biomarker use in oncology trials, by year (2015-24)

臨床試験におけるバイオマーカー検査の活用拡大は、予想どおり製品の上市動向にも影響を及ぼしています。米国FDAは、2020年以降、毎年7~10件のCDxを伴うオンコロジー領域の治療薬を承認しています。さらに、従来型のバイオマーカーに加え、新規バイオマーカーへの関心が一段と高まっています(図2参照)。

図2

FDA承認のCDx付き治療薬 (1997-2024)

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FDA-approved therapeutics with CDx, including novel oncological therapies (1997-2024)

図2

FDA承認のCDx付き治療薬 (1997-2024)

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FDA-approved therapeutics with CDx, including novel oncological therapies (1997-2024)

診断薬の上市には多くの利点がある一方で、解決すべき複雑な課題も数多く存在します。そのため、治療薬との連携を密にしながら、新規CDxの発売準備を進めることが極めて重要です。L.E.K.コンサルティングは、製薬企業と協力してオンコロジー領域の治療薬向けの新規CDxを上市する過程で得られた知見を基に、共有すべき7つの重要な戦略を明らかにしています。

1.    「オプトアウト」の考え方を採用する

精密医療分野のリーダー企業は、「オプトアウト方式」を採用しています。新規のオンコロジー領域プログラムは全て診断薬コンポーネントから開始し、開発ライフサイクル全体を通じてニーズを継続的に評価・計画しています。このアプローチにより、精密医療リーダー企業は確立された診断薬リソースと能力を通じて、診断薬と治療薬の開発を効果的に統合しています。汎用的な治療薬の開発を追求することも可能ですが、その場合は臨床的エビデンスに基づいた経営層の積極的な意思決定が求められます。

一方で、「オプトイン」の考え方、すなわち「あらゆる患者を受け入れるアプローチが機能し、バイオマーカー開発は後から追随する」という前提に基づく戦略は、企業の診断薬開発能力やプロセス構築力を制限する傾向があります。特に、診断薬チームと治療薬チームの早期かつ継続的な連携を必要とする医薬品開発プログラムでは、不利に働く場合があります。その一例として、2009年に米FDAは、競合他社のデータに基づき、リリー社のEGFR阻害剤「アービタックス」の適応をKRAS野生型の大腸がん患者(全体の約60%)に限定しました。この決定により、米国市場での採用が停滞し、その後10年間で累積収益に数億ドル程度の影響が生じました(図3参照)。

図3

ケーススタディー: 転移性大腸直腸がん(mCRC)でのErbitux売上

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Case study: Erbitux in mCRC

図3

ケーススタディー: 転移性大腸直腸がん(mCRC)でのErbitux売上

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Case study: Erbitux in mCRC

さらに、過去の傾向から見ると、バイオマーカーを活用した医薬品の上市が1年遅れるだけで、上市後5年間の累積収益が30~35%減少する可能性があるとされます(図4参照)。

図4

オンコロジー領域の精密医療の発売遅延による収益損失

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Revenue loss from launch delays in PM technology

図4

オンコロジー領域の精密医療の発売遅延による収益損失

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Revenue loss from launch delays in PM technology

精密医療分野のリーダー企業は、この「オプトアウト」の考え方を組織的に体系化しています。開発チームは初期段階から診断薬のニーズを考慮し、プロセス全体を通じて継続的に見直すことが求められま す。具体的には、包括的ゲノムプロファイリング(Comprehensive genomic profiling: CGP)によるバイオマーカー探索、複数の生体サンプルの保存、反応予測因子の特定に向けた事後分析、耐性メカニズムの追跡など、継続的な最適化を行っています。

また、精密医療分野のリーダー企業は治療領域や企業レベルで、明確なリーダーシップを発揮し、機能 やプログラムを統合しながら、各プロジェクトへ専念を促す形で組織を編成しています。戦略的な診断薬計画をプログラム全体に組み込むことで、先を見据えた議論や協働を促進し、組織全体で知見とリソースを共有することができます。これにより、効率性と組織的な学習が強化され、持続的な競争優位の確立につながります。

2.    臨床前開発段階からCDx導入に向けた計画を開始する

診断薬の成功には、バリューチェーン全体にわたる多機能的なサポート体制が不可欠です。そのため、製薬企業は前臨床段階という早期の段階から、CDxの導入計画を開始する必要があります。診断薬の開発は治療薬の開発と並行して進められ、ローンチ準備に関する主要な活動は、治療薬と診断薬それぞれのマイルストーンに合わせて段階的に実施されます(図5参照)。

図5

診断薬バリューチェーン全体にわたる主要機能別活動

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Key Dx activities by function throughout the value chain

図5

診断薬バリューチェーン全体にわたる主要機能別活動

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Key Dx activities by function throughout the value chain

効率性を高めるには、研究開発部門が前臨床開発の段階から、コマーシャル部門やメディカル部門と密接に連携し、部門横断的な視点を取り入れることが重要です。このようなアプローチにより、診断薬が患者のニーズに適合し、設定された臨床エンドポイントが商業化を支える確かな根拠となることが保証されます。また、コマーシャル・メディカルの準備活動としては、市場理解の深化と啓発、診断薬に特化した戦略の策定、そしてローンチに向けた組織体制の整備に焦点を当てることが不可欠です。これにより、治療薬と診断薬の両面から市場導入を円滑に進めることが可能です。

3.    CDxを追加する際の特有の業務上の課題に対処する

製薬企業は、診断検査のもつ特有の複雑性が、自社の商業戦略および市場投入戦略にどのように影 響するかを慎重に検討する必要があります。開発段階において、個々の診断薬は治療薬とは異なる商 業的・技術的な障壁に直面します。これには、タンパク質やDNAといった分析対象物質の違い、PCRや次世代シーケンシング(NGS)などの検査技術、510(k)認可を受けた検証済み機器の有無、そして体外診断用医薬品(IVD)か検査室開発検査(Laboratory developed test: LDT)かといった検査形式など、さまざまな要素が関連します(図6参照)。CDxを組み込んだ治療薬の開発を目指す製薬企業は、 まず対象となる適応症におけるバイオマーカー要件を正確に理解することが重要です。次のステップと して、分散型検査モデル(decentralized testing model)に対応できるかどうかの判断と、堅牢な償還
(reimbursement)戦略の構築が求められます。

図6

診断薬アプローチ検討上の考慮ポイント

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Considerations for Dx approach

図6

診断薬アプローチ検討上の考慮ポイント

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Considerations for Dx approach

4.    診断薬(Dx)の発売戦略を別途構築します

精密医療リーダー企業は、診断薬のローンチと治療薬のローンチを相互に関連しつつも、別個のプロセスと明確に区別して実行しています。両者は異なるステークホルダー層と課題を抱えており、それぞれに特化したアプローチが求められます。主要なCDxのステークホルダーは多岐にわたり、治療薬のステークホルダーとは大きく異なります。例えば、病理医と処方を担う腫瘍内科医を比較すれば、その違いは明らかです。したがって、認知度向上や処方意欲の促進には、明確にターゲットを絞ったアウトリーチ活動が最も効果的です。

特に新規CDxのように検査が複雑な場合、ローンチ戦略では、必要な機器や関連技術への対応、LDTのサポート体制、検体前処理に関するガイダンスなど、検査室における実務上の要件を慎重に考慮する必要があります。また、市場アクセス戦略も早期に統合し、償還や流通経路に関する課題に先手を打つことが重要です。

理想的には、企業は発売計画を策定する際に、診断薬と治療薬の発売戦略の相互作用をあらかじめ考慮すべきです。例えば、治療薬において一般的な「治療を受ける患者数」に基づく販売インセンティブは、精密医療環境では適切ではない場合があります。この分野では、スクリーニングを受ける患者数のほう

がより重要な成果指標となることが多いからです。このように、診断薬に特化した発売戦略を独自に構築することで、より広範な採用を促進し、精密医療における総合的な成功機会を高めることが可能となります。

5.    パートナーの能力を戦略的に活用しつつ、社内の専門性を育成する

製薬企業は、診断薬の開発、申請、製造に関する専門知識を有する重要なパートナーの能力を意図的 かつ計画的に活用しながら、十分な監督体制を整えることが重要です。組織の規模や既存の能力によっては、バイオマーカーの選定、検査開発、データ解析、診断薬の販売などの領域で社内のリソースが不足する場合があります。一方、治療薬チームとの密接な連携が必要な活動(例:サンプル収集や保管)や、戦略的性質を持つ活動(例:市場アクセスや価格戦略)は、社内で直接管理する方が望ましい場合もあります。

パートナーと連携する場合であっても、バリューチェーン全体を通して診断薬特有の専門知識を持つ専任の社内リソースを確保することが不可欠です。診断薬と精密医療用治療薬の両方を深く理解する専門家は希少であり、需要が高いため、早期からの人材確保と育成計画が極めて重要になります。外部パートナーの専門知識と社内の基盤知識の適切なバランスを見極めることも成功の鍵です。パートナー企業 は、製薬企業の戦略的文脈を十分に理解せず、検査最適化や上市後の活動に十分な投資を行うインセンティブを欠く場合もあります。そのため、内部の監督機能を強化し、パートナー企業と緊密な連携を維持することが不可欠です(図7参照)。

図7

主要開発活動の責任分担:診断薬パートナーと製薬企業チーム

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Key development activities ownership: Dx partner vs. pharmacy team

図7

主要開発活動の責任分担:診断薬パートナーと製薬企業チーム

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Key development activities ownership: Dx partner vs. pharmacy team

診断エコシステムを効果的に拡大することで、診断薬の上市における計画・実行の遅延を防ぎ、全体的な上市スピードを高めることが可能です。外部パートナーの活用や、社内専門人材の育成にかかるコストは、単なる必要経費ではなく、製品ポートフォリオ全体の成功を支える戦略的投資として捉えるべき です。

6.    組織全体に診断技術の専門知識を浸透させる

診断薬の成功には、診断薬のニーズが全社的に理解・支援され、部門を超えて統合され、適切にスケールし、バリューチェーン全体で優先的に位置づけられる環境の構築が不可欠です。前述のように、「オ プトアウト型」の診断薬マインドセットを採用し、早期段階から診断薬の開発および立ち上げに投資す るという戦略は、「すべての患者を受け入れる」という従来型の慣性的な考え方と衝突する場合があります。そのため、社内のさまざまなレベルからの抵抗、診断薬開発に伴う高コスト、そして治療薬と比較した際の診断薬事業の収益性の低さといった課題を克服するには、経営層による明確で継続的なコミットメントが欠かせません。また、診断薬投資を優先するにあたっては、部門横断的な連携を促進し、診断薬チームと治療薬チームの活動やインセンティブを整合させる取り組みが必要です。経験豊富な精密医療のリーダー企業は、こうした協業体制を迅速に確立することで、診断薬の開発・商業化を円滑に進め、組織全体としての成功確率を高めています。

7.    周到なライフサイクルマネジメント(LCM)戦略を組み込む

精密医療分野でリーダー企業としての地位を確立するためには、継続的な進化と改善を支えるライフサイクルマネジメント(LCM)戦略を計画的に導入することが不可欠です。製薬企業がバイオマーカーを活用したオンコロジー領域の治療法において、持続的な価値と影響力を生み出すためには、早期かつ積極的な戦略立案が極めて重要です。診断薬戦略は上市をもって完結するものではありません。真に 効果的なLCM戦略は、次世代技術の予測、適応症の拡大、リアルワールドエビデンス(RWE)の計画立案、主要ステークホルダーとの継続的な関与を可能にします。これらを体系的に実施することで、治療可能性の最大化という最終目標を推進することができます。

詳細情報のご希望や、製薬ビジネスに新たな可能性をもたらす戦略のご検討に際しては、ぜひお気軽にお問い合わせください

L.E.K.は、製薬業界全体における喫緊の課題を継続的に注視し、革新的な知見、最先端の洞察、そして実行可能な支援と戦略を通じて、お客様の目標達成能力の強化に貢献してまいります。

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